襲色目と重色目 フロント 摩訶不思議へ Maccafushigi

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続 襲色目と重色目 襲色目と重色目

<襲色目と重色目について>

「襲色」 と 「重色」 につきましては、過去の文献により襲と重の文字がまちまちに使用されています。
ここでは、襲色は、十二単の袿(うちき)の主に五衣(いつつぎぬ)の組み合わせの色の配色の総称に、
      重色は、袿の一枚・一着 (領) の表地と裏地の混色名に使用いたします。

<襲色目>は、「続 襲色目と重色目」 でご覧下さい。

◆重色目

梅重 一重梅 莟紅梅 柳重 桜重1 桜重2 桜萌黄 樺桜1 樺桜2 薄花桜
梅重 一重梅 莟紅梅 柳重 桜重1 桜重2 桜萌黄 樺桜1 樺桜2 薄花桜

躑躅1 躑躅2 白躑躅 紅躑躅 岩躑躅 桃重 藤重1 藤重1 白藤 若草
躑躅1 躑躅2 白躑躅 紅躑躅 岩躑躅 桃重 藤重1 藤重1 白藤 若草

菫菜 壺菫 山吹 裏山吹1 裏山吹2 山吹匂 早蕨 若楓1 若楓2 花橘
菫菜 壺菫 山吹 裏山吹1 裏山吹2 山吹匂 早蕨 若楓1 若楓2 花橘

楝 牡丹 葵 薔薇 杜若 菖蒲 花菖蒲 根菖蒲 瞿麦 花撫子
牡丹 薔薇 杜若 菖蒲 花菖蒲 根菖蒲 瞿麦 花撫子

蓬 夏萩 櫨紅葉 青紅葉 黄紅葉 萩重1 萩重2 尾花 桔梗 紫苑
夏萩 櫨紅葉 青紅葉 黄紅葉 萩重1 萩重2 尾花 桔梗 紫苑

竜胆1 竜胆2 忍 菊1 菊2 菊3 黄菊 白菊 紅菊 莟菊
竜胆1 竜胆2 菊1 菊2 菊3 黄菊 白菊 紅菊 莟菊

移菊 残菊 鴨頭草 蟲襖 枯色 枯野 椿 松重1 松重2 松重3
移菊 残菊 鴨頭草 虫襖 枯色 枯野 椿 松重1 松重2 松重3

檜皮1 檜皮2 葡萄1 葡萄2 木賊 海松 篠青 苦色1 苦色2 少納言
檜皮1 檜皮2 葡萄1 葡萄2 木賊 海松 篠青 苦色1 苦色2 少納言

★ 重色目の見方と説明

各々の升目の左の色は、絹裏地色 右の色は絹表地色になります。
表地の絹素材は裏絹素材に対して、基本的には、織り及び厚みを薄くして裏絹素材色を見える様にしています。 (透過率を50%に設定しています。)
各々の升目のセンター部分が「重色目」(文献により襲色目と表記されている) になります。
旧暦の 「春」 カラー    梅重から早蕨(さわらび)まで。
旧暦の 「夏」 カラー    若楓(わかかえで)から夏萩まで。
旧暦の 「秋・冬」 カラー櫨紅葉(はぜもみじ)から椿まで。
「四季通用」 カラー     松重から苦色(にがいろ)まで。
一番最後、重色目の少納言は、十二単の彩色絵 「(清)少納言の君」 を作成した際に、作成した重色目です。

梅 重 冬11月〜春2月まで 男女一重梅 (雪の下紅梅) 正月中 男女莟紅梅 1月〜3月、若年の狩衣にも
柳 重 冬〜春まで桜 重 春限定 男30才迄桜萌黄 2月中 男若年迄
樺 桜 2月〜3月 男若年限躑 躅 男性の下襲は更に裏地紅白躑躅 3月中 男女
紅躑躅 3月中 男女岩躑躅 3月中 男女桃 重 3月中 男女
藤 重 3月〜 男女白 藤 3月〜 男女若 草 1月〜2月始めまで
菫 菜 2月中壺 菫 2月中山 吹 冬〜春 男女
裏山吹 冬〜春 男女山吹匂 女性限定色早 蕨 女性限定色
若 楓 男女花 橘 4月〜5月 男女 楝  男女
牡 丹 4月 葵  4月薔薇 (そうび) 4月
杜 若 5月菖 蒲 5月 男女花菖蒲 5月 男女
根菖蒲 5月 男女瞿 麦 (なでしこ) 5月〜6月 男女花撫子 韓撫子とも
 蓬  5月夏 萩 5月〜6月櫨紅葉 男女
青紅葉 夏〜初秋 男女黄紅葉 9月〜10月 男女萩 重 7月〜9月 男女
尾 花 花薄とも桔 梗 8月 下襲の色にも紫 苑 9月9日〜9月30日
竜 胆 男女 忍  8月 菊  9月〜10月 男女
黄 菊 9月〜10月 男女白 菊 9月〜10月 男女紅 菊 女性限定色
莟 菊 9月中まで移 菊 10月〜11月 男女残 菊 10月〜11月 男女
鴨頭草 (つきくさ) 9月 露草のこと虫 襖 狩衣の色枯 色 狩衣の色
枯 野 狩衣の色 椿  12月松 重 宿老の下襲・狩衣色(祝賀)
檜 皮 転居時は着用禁 狩衣の色葡 萄 (えび) 男女木 賊 狩衣の色
海 松 (みる) 祝賀の際に用いる篠 青 30才〜40才 狩衣の色苦 色 転居時は着用禁 狩衣の色

☆ 上記以外でwebで表現できない或いは表現しにくい重色目      注 萌黄の表記は 「萌木」 「萌葱」とも

「濃紅梅」「薄紅梅」「紅梅匂」「裏倍紅梅」「青柳」「桜萌黄」
「卯花重」「藤」「青朽葉」「若苗色」「百合」「白重」
秋冬「楓紅葉」「萩花重」「梶」「女郎花」「藤袴」「槿」「黄柳」「氷重」「初雪」
四季通用「火色」「鳥子重」「比金青」「二重」

  「掻練襲 ・懐練襲」 の色目は、「清少納言が、思い、愛した掻練襲 ・懐練襲の下襲」 で確認下さい。

  尚、月はすべて 「旧暦です」。現在の月日に1ヶ月〜1ヶ月半の日数を加えて下さい。くれぐれも、ご注意を。

☆ ウィンドゥーズ エクスプローラー ・ブラウザー枠のグレー及び、インプットボタン (ラジオボタン) のグレー色を
   皆さんRGB色でWEB上に表現できますか? これらの 「グレー」 は、とても 「赤味」 を含んでいます。
   RGB16進数の#cccccc、#999999、#666666、の 「グレー」 とは、全く違います。 「青味」 を含んでいます。
   ブラウザー枠 ・インプットボタン (ラジオボタン)のグレーカラーは、
   平安朝のみやびな世の人々が創造した文化、襲色目と重色目の発想を以てすれば解決できます。
   因みに私共の機械 ・(数字) オンチなデザイナーは、短時間でこれらの 「グレーカラー」 作り出せました。
   このサイトの 「服の文献ページ」 の BGカラー 「源氏香の図」 で確認下さい。

☆ 一応、80色作成しましたが、皆様のパソコンのRGB設定環境により 「色の見え方」 が違うと思います。
   それ以上に、この時代の 「生地(布)の厚み」 が特定できませんので、 「色の見え方」 が不明なのです。
   この資料元の関根正直さんは、
   「これは去んぬる明治40年ある人の需めによりて倉卒にかき出でたる舊稿なれどかかる筋を尋ねん人の参考
    にもとて付録しおく 」 と有りますので、その様な感じで。
   但し、この時代の彼女 ・彼らの 「色」 に対する 「おしゃれ心」 には、心より敬意を払います。

★ 重色目が作られた経緯(いきさつ)ベースカラーは 「日本の色(伝統色)見本」

重色目は僅かな 「色数」 の中で、自然界の美しさに 「同化」 しょうとの 「思い」 が生じさせた 「創造色」 だった。

重色目のベースになっている 「色名」
赤系赤色(茜染)紅(黄味赤)赤花(赤紫)蘇芳(青味赤)紅梅(青味薄赤)
黄系朽葉(黄赤)山吹(支子染)香色(丁子染)黄(黄檗 ・刈安染)
緑系青(緑)萌黄(黄味緑)
青系縹(藍色)
紫系花色(青紫)二藍(青味紫)
プラス   「白」とこれらの色の「濃い」「薄い」。

上記の 「色」 の順列 ・組み合わせの妙に凄まじいほどの 「感性」 を、お感じになりませんか・・・・・。
明治時代に入り、合成化学染料での布への染色が可能になるまでは、色出しの原料は 「草木」 でした。
故に、「色数」に対しては、とてもハングリーだったと考えるのは早計です。
後の世の方々は結果を知ってから結論を出してはいけません。
平安の世の人々は、手持ちの染料数がすべての世界でした。
分かり易いのは、私達が生きとし生きるこの地球。紀元前のある時には、
既に私達も持っている 「目」 で5惑星の存在を確認できていました。水 ・金 ・(地球)・火 ・木 ・土星です。
この時点では、我が地球は、未だ、惑星との認識は有りませんでした。
当然、この平安の世の人々も地球が太陽の回りを約365日かけて、駆け抜けている状況なんて云う事はとても。
地球も惑星、7番目の天王星がいた事実は、ずうっと後のお話し。
5惑星が、その一瞬 ・時・ 時代(とき)のすべての世界だったのです。
平安の世の人々は、無い物ねだりをせず、今有る物 (認識可能なすべて) を 「フル」 に活用したのです。
自分の 「目」 を最大限利用して、「自然界の美しさ」 を目一杯 「模倣」 したのです。
結果知っての今の世の後講釈師はこう云われます。
「あの時代 (藤原道長さんの時代) 、あの空間 (京都小世界) だからできたのだ。」 って。
であったなら、そうおっしゃる後講釈師さんは、その時空間の 「空気」 をお吸いになっておられたのですか?
京都小世界以外のお百姓さん達は 「ドーなんだ」 と、次におっしゃる講釈師さん。心配ご無用ですよっと。
彼女・彼らは、その「空気」 (美しい自然) を五感で感じとっていました。彼女・彼らの空間に於いて。
ここが肝心。自らの五感 (目 ・耳 ・肌 ・鼻 ・口) の全活用です。 「感じようとする気持ち」 です。
所与の時空間で、力いっぱいの感じる心が有ったればこその 「重色目」 の出現なのです。
生き続けている(生命が宿っている)野山の樹木 ・花。 とどまる事を忘れて流れ続ける川の水。
更に、それら自然が、時の移ろいと共に、姿 ・形を刻々と変貌させてゆく素敵さ ・美しさ。
この様な光景を眼辺りに感じ続けた方々が魅了されないはずがありません。

ここからは私どもZIPANGUのイメージです。皆さんも宜しければご一緒に想像して下さい。
春、必ず咲いてくれる 「桜」 あの淡く白味を帯びた薄いピンクの花びら。
一片 ・一片は、ほんの少しだけ赤味を帯びた白い花びらです。
それらの花びらが、みんな仲良しさんに集まると勢い全体色はとっても赤味を帯びた 「桜」 色に早変わり。
こんな素敵で美しい色を服で表現したいと思われた素敵で美しい方がいらっしゃても全く不思議でありません。
それが上の 「桜重1」 の 「重色目」 に。
合わせ仕立ての裏側の布が 「紅」色で、表側の布はその紅色が透けて見える様な薄さの 「白」
そうして出来上がったのが「桜」桜重・桜襲色です。  お見 (美) 事とお思いになりませんか?
「柳重」 も同様です。 (緑に白の襲トーン)
桜の花が時の移ろいと共に散り、やがて木の葉の若葉が躍り出てきます。
お日様の光を浴びて、数え切れない 「緑」 色の数々。  「エイーッ」 緑色3色使いって感じで、
「若草」 の 「重色目」 を考え出す迫力。印象派の点描表現に比して、勝るとも劣らないでしょう。
因みに、私どもは 「重色目」 表現を、
薄いシルクシフォンのストール」でトライしています。一度ご確認下さい。  続く。

★ 染料について(重色の元の色出し) 草木染め

赤系  紅花(末摘花) 茜 蘇芳(すおう)黄系  刈安(かりやす) 黄檗(きはだ) 支子・梔子(くちなし)
青系  鴨頭草(露草) 蓼藍(たであい)紫系  紫草の根(山根)
緑系  蓼藍と黄檗で作成橙系  紅花と支子・梔子などで作成  茶系  丁子(ちょうじ)

◆ 襲色目

☆ 「襲色目の主な色」 はこちらをご覧下さい。下記の8色の襲色目を確認できます。オリジナル1色有ります。

   春  桜重(襲色目) 山吹(襲色目)      夏  菖蒲(襲色目)花橘(襲色目)
   秋  裏菊(襲色目) 紅もみじ(襲色目)冬  雪の下紅梅(襲色目) 紫うすよ(や)う(襲色目)

☆ 「襲色目」 の 「色順」 は、Web上で確認可能な 「曇華院殿装束抄 」 (京大図書館) を採用しています。
   「満佐須計装束抄」 の 「色順」 ではありませんので、ご注意下さい。 上記で本物がご覧頂けますよ。

☆ 襲色目の種類と方法

   匂い・・・・・・・・・・・濃い色と薄い色を織り交ぜる。同色の濃淡を織り交ぜる。 (にほひ)
   薄様(うすよう)・・・上から順に濃い色から段々薄い色にする。又、その逆も。 (うすやう)

 襲色目の各々の配色は、 次頁の 「続 襲色目と重色目」 にて 
ご覧頂けます。 是非一度、ご確認下さい。
 

★   リ ン ク 先   ★
平安朝 十二単等 絵 ZIPANGU  春夏秋冬の十二単の彩色画をご覧頂けます。
奈良朝 吉祥天女 絵 ZIPANGU  吉祥天女像に彩色し、蘇らせました絵をご覧頂けます。
舞絽倶 日本文化と服 ・小物 「舞倶」日本文化と服について語る ZIPANGU のブログです。

     


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